平成7年に施行されたPL法によって、商品の欠陥が原因で損害を受けたことを消費者が証明すれば、メーカー側に過失がなくても賠償請求が可能になりました。これによって企業はより一層、賠償請求をされるリスクが高まった為、それに対する備えが必要になります。
【PL保険】
企業のこのような賠償責任について、自社の資金だけで賄うことは難しくなります。
企業の様々なリスクを補填する為に有効な手段として、PL保険があります。
PL保険は、別名「生産物賠償責任保険」と言い、第三者に引き渡した物や、製品、業務の結果に起因して賠償責任を負担した場合の損害を、身体障碍または財物損壊が生じることを条件としてカバーする賠償責任保険のことを言います。
被保険者になるのは、製品メーカー、流通、販売者、保険の対象とする業務を行う事業者です。
【製造業に潜むリスク】
製造業におけるリスクは下記のように様々なものがあります。
・レストランで食事をした客が帰宅後、食中毒を発症し入院した
・工事業者が水道管の工事を行ったが、水道管のつなぎ目の締め付けが緩く、後日そこから水漏れが発生した。
・自動車整備工場で車のオイル交換をしたが、高速道路を走行中にキャップが外れて、オイルが漏れ、オーバーヒートした。
・メーカー製造の化粧品を使用したら、肌荒れや皮膚炎を起こした。
・食品メーカーから購入したカップ麺に、金属のかけらが混入していた。
このように、製造業が負うリスクは多岐にわたり年々増加しています。
【どのような対策が必要か】
製造業だけではなく、今や企業を取巻くリスクは多種多様な物になっています。これらのリスクは、年々複雑化しており、経営者はそれらに対する対策をしっかりと考えていかなければなりません。
企業を取巻くリスクは大きく分けて、「業務災害」「雇用リスク」「賠償責任」「財産」になります。
それぞれに必要な補償は変ってくるため、各社で対策も違ってきます。保険会社にはそれぞれのリスクに個別に対応できるよう必要な補償を組み合わせて契約できる保険もあります。
まずは、自社のリスクを的確に把握するためビジネスの概要を保険会社に正しく伝え、リスクの洗い出しから始めましょう。
保険会社はリスクの見える化を行い、リスクに対するソリューションを提案してくれます。
【まとめ】
製造業を始め、企業には様々なリスクが存在します。企業の様々なリスクについて、自社の資金だけで補填する事は難しいため、これらの保険を活用することをお勧めします。
まだ加入していない経営者は、早めに対策を取るようにしましょう。