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建設業者には必要?万が一に備える使用者賠償責任保険とその内容

従業員が業務中の災害によってケガをしたり、最悪の場合は死亡した場合には企業はその責任を問われる事になります。このような場合に、企業は多額の賠償請求をされるリスクがありこれらのリスクに対する備えとして使用者賠償責任保険は大変有効になります。建設業者にとって欠かせない保険である使用者賠償責任保険について、その必要性や補償内容を詳しくみていきましょう。

【使用者賠償責任保険とは】

従業員が業務上の災害によって心身に障害を負った場合、または死亡した場合に労災認定がおります。労災認定が認められ、企業側にも安全責任を怠ったなどの何らかの責任があった場合法律上の賠償責任が生じます。近年は、この賠償責任が年々増加傾向にあり、金額も増えています。中には、数億円という賠償責任を請求されたケースもあるため、企業は従業員の万が一に備え何らかの備えが必要になります。これらを全て労災保険で賄う事は難しいため、使用者賠償責任保険が有効になるのです。この保険では、被災者に支払う補償金の他、和解金、訴訟費用なども支払うことが出来ます。

【使用者賠償責任保険の補償内容】

具体的には、どのような場合に保険が適用されるのでしょうか?使用者賠償責任保険では、損害額が以下の合計を超えた場合その超過分について支払われる事になります。

・労災保険から支払われる金額

・企業で独自に支払われる災害補償規定に基づいて支払われる金額

労災保険は国から支給されるもので、企業独自で規定のある災害補償等については各企業から支払われます。

【使用者賠償責任保険の必要性】

昨今の過酷な労働問題や、非正規雇用者の増加、経済の低迷など様々な要因が複雑に絡みこれからも企業における従業員への賠償責任は更に増加し、企業負担も重くなることが予想されます。賠償金の企業負担は会社にとって大きなダメージとなり、中には賠償金の支払いが出来ずに倒産した企業もあるほどです。賠償金は、人の命に関わるものですので高額になるのは当然ですし、企業がこれらのお金を会社の資金から準備するのはとても大変な事です。このような事を考えると使用者賠償責任保険は、万が一に備えるものとして必要不可欠なものである事は確かでしょう。

【まとめ】

事故や、災害が起きてしまう事を事前に予測する事は困難です。しかし、起きてしまった後の行動を変える事はできます。もしも、使用者賠償責任保険に加入しておらず被災者に対する金銭的な対応が遅れてしまったら企業は同時に社会的信頼も失う事になります。使用者賠償責任保険は、従業員を守る為、災害時に迅速な対応をする為、業務災害が起きてしまった時の企業防衛の為にも加入しておくべき保険と言えるでしょう。

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