企業を取巻くリスクは年々増加しており、それは業種や業態によって多岐にわたります。製造業におけるリスクにはどのようなものがあるのか、またどのように対応すればよいのか見てみましょう。
【第三者への賠償リスク】
工場には、常に作業にともなう危険が生じる、出荷後のPLリスクが常にありますので注意が必要です。
事故例としては、自社工場が爆発した場合に近隣の住宅や店舗に物的損害を与えたり、自社で製造した商品に欠陥が見つかり消費者に怪我をさせてしまった、製品の設置作業中に誤って事務所の看板を落下させてしまい通行人に怪我を負わせてしまった、などのリスクがあります。
工場内には、火災の原因となるものが多くあり、全ての可燃性物質を危険源と考える必要があります。更に工場内では、手作業で運搬するものが多かったり、つまずき、転倒、滑りなどの危険があるためこれらに対する予防や改善策についても企業で話し合って対策をとっておくべきでしょう。
【製品リコールリスク】
自動車などの製造業者に多いのがリコールのリスクです。メーカー、卸売業者、小売業などでは第三者による製品回収費用リスクが発生し、対策部門の設置、リコールハガキ、メール、ホームページの作成などの対応が必要になります。
事故例としては、洋菓子製造業者で製造過程において異物が混入し、回収をすることになった、スーパーに第三者より毒物を混入したとの脅迫電話がかかり販売自粛をし、売り上げが低下したなどの事故があります。
リコールが発生した場合、企業は消費者に対する迅速な対応と謝罪により誠実さを伝えることが企業ブランドの低下や、信頼の回復に大きく繋がります。
【企業はどのように対応する?】
上記のように製造業を含む工場の作業には多くのリスクが存在します。これらのリスクに対する備えとして企業はPL保険や、生産物品質保険などで万が一のリスクに備えておく必要があります。また、このほかにも経営者や役員に対する賠償責任に対する備えとして総合事業者保険などへ加入しておくと安心でしょう。
【まとめ】
製造業では様々なリスクがあり、特に工場爆発や製造物のリコールリスクなどは被害が拡大するリスクがあり、賠償請求額も莫大な金額になることが予想されます。これらのリスクはいつ、どこで発生するかわかりませんので、企業は上記のような保険を活用して万が一の事態に備えておく必要があるでしょう。