国民年金に上乗せして、厚生年金に加入しているサラリーマンなどの給与所得者と、国民年金だけにしか加入できない自営業者、第1号被保険者との間には将来的に受け取る年金額に大きな差が生じます。
このような差を少なくし、建設業者の方もゆとりある老後を送れるように「日本建築業国民年金基金」が運営されています。
加入するメリットやこの年金制度の仕組みなどについて見てみましょう。
【建設組合に加入】
日本建築業国民年金基金を利用する為には、まず建設組合に加入するようになります。建設組合は、全国建設組合連合運営協議会に加盟する建設業者団体であり、建設業の方々の社会保障や、福利厚生などを充実させるために役立つ各種事業を行っています。
具体的には、国民健康保険、年金基金、奨学基金、共済などを取り扱い建設業者の方々の生活や健康の保証の手助けをしています。
建設組合に加入する事で、「建設連合国民健康保険」「一人親方労災保険」「日本建築業国民年金基金」「慶弔見舞金」「退職金制度」「奨学金制度」などを利用する事が出来ます。
利用する場合は各事業所の制度や、利用資格を満たす必要がありますが、組合費未納や、組合員の資格を喪失した場合には、継続して利用する事はできませんので注意しましょう。
【日本建築業国民年金基金とは】
国民年金に上乗せして厚生年金などに加入しているサラリーマンなどと、国民年金だけに加入している自営業者には将来的に受け取る年金額に差が生じます。
このような不公平を是正する為、自営業者の強い要望によって、厚生年金基金などに相当する国民年金基金制度が平成3年4月に創設されました。
これにより自営業者の方も国民年金と国民年金基金の2階建てになったのです。
【加入するメリット】
日本建築業国民年金基金に加入すると、下記のようなメリットがあります。
・老後の生活費の不足分を補う
・収入に合わせて自由に掛金を増額、減額できる
・年金額は加入口数と年齢、受取期間を選択し、自分で決められる
・払い込みが困難になった場合申請するといつでも一旦停止、再開する事ができる
・年金の受取は原則終身で65歳から受け取れる
・掛金は全額社会保険料控除の対象になり、将来受け取る年金も公的年金等控除に対象になる
・年金受給前や、保証期間内に亡くなった場合遺族に一時金が支払われる
【まとめ】
このように、日本建築業国民年金基金に加入するメリットはたくさんあります。何より今まで老後の備えが国民年金だけだったのに対して、将来貰える年金額を増額できるこの制度は自営業者の老後に安心と、ゆとりを生むものとなるでしょう。
日本建築業国民年金基金は、加入年齢が若いほど掛金は安く、加入時の掛金が払い込み満了時まで継続されますので早目に加入する方がお得です。まだ加入されていない建設業者の方は検討してみる価値は十分にあるでしょう。