中小企業の場合、求人を出してもなかなか人材が集まらず、新規採用に至らないまま人手不足に陥りやすい状態です。
大手に人材を取られる傾向が強いだけでなく、専門性が高く職人のような高いスキルを求めても、適した人材が見つかりにくい上に育成にも時間が掛かってしまいます。
そもそも、そのような人材は引く手あまたの状態で、競争倍率が高くなってしまうため中小企業が採用する場合には、よほど良い条件でなければ難しいかもしれません。
今後生産年齢人口の減少は加速する
日本は人口減少と少子高齢化が進んでいますので、生産年齢人口の減少は今後ますます進み2025年には7,000万人になると予測されています。
特に地方は急激な人口減少が予想されているため、人材不足の問題はかなり深刻化していると言えるでしょう。
中小企業がおこなうべきことは?
このような状況の中、中小企業は生き残りをかけて労働力を確保していくことを考えていかなければなりません。安い給料で残業は長い上に休みもなかなか取れず、いつまでたってもキャリアステップが見えない状態では退職者も増え、新規に人材を獲得することも難しくなるはずです。
しかし従業員の待遇改善は、企業の利益とのバランスを考えなければ、人件費が経営を圧迫してしまう可能性があります。
そこで、給与面以外でもこの職場は働きやすいと感じてもらえるような労働環境へ見直していくことも踏まえて検討しましょう。
誰でも雇用すれば良いわけではない
良い人材とは、業務に関して精通している人材、また、初心者でも成長できる素養の人材です。しかし企業が求める人材を採用しようと思っても応募がなければ、希望とかけ離れた人材をとりあえず採用してしまうことになり、ミスマッチが起きてしまいやすくなります。
そうなると無駄な人件費が掛かるだけでなく、採用してもすぐに退職に至り、結局また人材を募集することの繰り返しです。
とりあえず頭数を揃えるために雇用することをやめ、欲しい人材に魅力ある企業だと感じてもらえる環境を作り上げていく必要があるでしょう。
雇用の幅を広げる環境づくりを
これまで職場には男性のみしか雇用してこなかったので、今後も男性のみ雇うという業界や企業もあるようです。
しかし現在、従来では考えられなかった建設業や運送業などでも女性が活躍しています。
また、女性だけでなく、若年者や高齢者、外国人など雇用の幅を広げて見ることも検討してみましょう。
なお、女性を雇用するのであれば女性専用トイレや更衣室の設置、外国人を雇用するなら文化や習慣の違いなども理解していく必要があります。
さらに出産や育児、介護などで労働できない時に対応できるように、雇用の切り替えや短時間勤務を検討することで継続して働き続けることができる環境が整備されていきます。
ストレスチェックは事業者に義務?
事業者は従業員のストレスチェックを実施することが義務付けられていますが、実施にかかる費用は全て事業者負担です。
しかし、労働者が50人未満の事業場などは時間や費用の負担が大きいため、実施は努力義務とされています。
しかし、大企業よりも各従業員の業務範囲が広い傾向がある上に、責任が重くなりがちな中小企業こそストレスチェックの実施が求められます。
そこで、労働者が50人未満の事業場が活用できるストレスチェック実施に関係する助成金などの活用を検討してみましょう。
参考:独立行政法人労働者健康安全機構
・産業保健関係助成金https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/tabid/1151/Default.aspx
職場環境改善で人材不足解消を!
職場環境を見直し、会社の強みと弱みを再度認識していきましょう。
強みが企業のアピールポイントなら、弱みは今後改善できる部分です。
確実に良い人材を確保できるように、職場環境の改善を前向きに検討していくことが求められます。