日本の法人税の税率は年々下がっており、平成30年4月1日以後に開始する事業年度は、普通法人全て23.4%です。
税率が下がってはいるものの、利益の約4分の1は税金で徴収されるので、しっかりと毎年利益が出ていれば良いですが、そうではなく突発的に大幅な利益が出た場合など翌年の納税額が経営を圧迫することになり兼ねません。
そのため、日本で企業を経営するのなら、経営者自身が節税対策を考えておく必要があります。
決算ギリギリの節税対策は困難
例えば1人で法人経営を行っている場合など、領収書の保管や帳簿など、経費の管理に手間が掛かってしまいます。
個人で契約している携帯代や自動車にかかる費用など、会社の業務で使用する分を按分計算しなければなりませんし、経営者自身で管理できることには限界があるはずなので節税対策まで行き届かない可能性もあります。
さらに法人税の節税対策は、決算が終わってから行っても対策することができないので、10か月経過したタイミングで余裕をもった対策を講じていくことが必要だと言えるでしょう。
具体的にどのような節税対策がある?
例えば経費を見直した上で考えられる節税対策として、法人保険への加入、減価償却資産の購入、必要のない固定資産の廃棄などがあります。
・法人保険への加入
法人保険に加入することは事業補償を得ることになるので、リスクに備えることを目的としています。さらに資金繰り対策としても活用できるでしょう。高い解約返戻率で、支払う保険料の全部や一部を損金として計上できる保険であれば、いつでも現金化できる優良な資産として保有することもできます。
・減価償却資産の購入
30万円未満の減価償却資産であれば、一定要件を満たすことで全額一括償却が可能です。
全てを一度に損金算入することができますが、この場合「少額減価償却資産の特例」を適用させることになり、この特例で経費計上した資産は固定資産になることを理解しておく必要があります。
固定資産になるということは、固定資産税の課税対象です。ただし当該期の減価償却資産の合計額が150万円を超えた場合には課税対象にはなりません。
さらに10万円未満の償却資産の場合、固定資産台帳に記載する必要もないので、結果として固定資産税は掛からなくなります。
・必要のない固定資産の廃棄
そして、保有している固定資産を処分した場合、処分した固定資産を購入した値段から、これまで計上した減価償却費の累計を差し引きした価額を固定資産除却損として損金に計上することができます。
使わない資産は放置したままにせず、廃棄など処分して固定資産除却損を計上することを検討しましょう。
日々の財務状況の確認が大切
なお、節税対策を行う上で無駄な物品の大量購入は危険です。無駄な物品を購入するためにせっかくの利益を使うのではなく、これまでは考えてこなかった使用法を考えたほうが良いと言えます。
いずれの節税対策も決算月ギリギリでは困難ですので、後で利益が大きく出て高額な法人税が請求される事の無いように、日々、財務状況を確認していくことが望まれます。