工場で火災が発生した場合、それは住宅火災とは比較できないほど大きな被害が発生します。工場には、燃えやすい物、爆発物などが多くあり、また風向きによっては延焼となる危険もあるからです。工場の火災で被害が大きくなるケースや、その対策について見てみましょう。
【工場内の設備と火災のリスク】
工場内には、火災が起こった場合に被害を食い止めようと様々な設備があります。例えば、火災報知器、消化器、スプリンクラーの設置などが挙げられます。
しかし、どれだけ防火設備を充実させても工場火災の被害を完全に防ぐことはできません。
一度工場で火災が発生したら、その被害は近隣住民や、店舗などにも及び被害額が、数十億円になるケースもあります。このようなリスクに備えるために企業は、事業用の火災保険への加入を検討すべきでしょう。
【火災の被害が広がる原因】
工場で火災が発生した場合、被害が広がる原因として下記のようなことが挙げられます。
・フラッシュオーバー現象
先にも触れましたが、工場内には引火しやすい物、発火しやすい物が多くあります。その為、小さな火でもそれはあっという間に燃え広がり火の海になってしまうのです。このような、現象をフラッシュオーバー現象と言います。
・バックドラフト現象
工場は鉄筋や鉄骨の作りとなっている場合が多くその構造上、気密性がとても高くなります。このような場所で火災が発生し、窓やガラスを開けた場合には外の空気が一気に中に流れ込み酸素量が増えることで、火は爆発的に勢いを増して燃え広がります。
このような現象をバックドラフト現象と言います。
上記の2点が工場内で、一度火災が起きると一気に燃え広がる大きな原因と言えます。
【工場内火災への備え】
このような現象が起きると、工場内にスプリンクラーを設置しても大きな効果は期待できません。工場内の防火設備を整えることは大前提ですが、大きな被害への対策としてはやはり事業用の火災保険が有効でしょう。
工場内の火災では、建物以外にも、工場内の設備、機械、商品在庫、原材料、重要書類、従業員の私物などあらゆるものが燃えてしまいます。
このような損害を補填してくれるのが火災保険です。また、工場火災が発生すると営業再開までには長い期間を要します。その間の売上の減少による資金繰りには、休業損害補償などに加入しておくと安心です。
【まとめ】
工場で火災が発生した場合は、被害が大きくなり企業が負うリスクは莫大なものになります。企業がこれらのリスクに備えるためには、防火設備を整えつつ、事業火災保険を活用していくことも重要になってくるでしょう。