日本は、高度経済成長を経て商業施設や、高層ビル、インフラの整備など目まぐるしい発展を遂げてきました。それらの建設や修繕工事に伴い発生するのが工事現場での火災や、災害です。工事現場には、多くの人が出入りし契約形態や責任の所在なども複雑になっている為、事故や火災が起こると拡大化しやすい状況にあります。その為、火災のリスクや防火対策について知っておく必要があります。
【工事現場の火災例】
工事現場では、どのような火災事故が起こっているのか見てみましょう。工事中のビルや、建設現場などで火災は多く発生しています。その出火原因の大半を占めているのが、溶接工事による出火です。溶接工事への対策が十分でないまま、周囲の可燃物へ火花が飛び散る事で火災が発生しています。発火する可燃物の中でも多いのが、梱包材等で使用されている発砲スチロールや段ボールでこのようなものは特に燃えやすく、一度火が付くとすぐに周囲へ燃え移り大火災に発展する為非常に危険です。また、工事終了後に無人の現場で火災が拡大するケースも見られます。
【工事現場の火災リスク】
このように、建設工事、増改築、修繕工事は火災のリスクや要因となるものが多くあります。通常とは異なる状況下で、日々様々な業者が入れ替わり作業をする事もあります。工事現場が抱える火災のリスクは下記のような事があります。
・溶接、溶断等の火気使用作業がある
・内装の塗料や接着税等の引火
・内装、資材、廃材、ゴミ等の大量の可燃物
・火災報知機の未設置、作動しない火災報知器
・現場にある工期遵守・作業優先の姿勢により疎かになる防火管理
・防火意識の低下による火災発生時の初期対応の遅れ
・工事の進行によって複数の業者が混在し、日々状況が変化する
【現場の防火対策】
それでは、現場の防火対策についてどのような事ができるのでしょうか?たとえば、電気機器に雨露が侵入しないようにする、タコ足配線はしない、作業時以外は電源を遮断する、危険物の持ち込みは最小限にする、塗装作業など可燃性蒸気が発生する場所では換気を十分に行うなどの防火対策が必要になります。また、現場責任者は作業員にこれらの危険性を周知させ遵守させる必要があります。
【まとめ】
工事現場で、一旦火災が発生するとその損害は建物や設備だけではなく、生産や営業活動の休止といった利益損害にも発展していきます。工期が遅れ、竣工を見込んでいた施主側にも経済的な損失が発生します。現場で働く人や請負業者は、このように様々なところに損害が発生する事を十分に理解し、防火対策を徹底し火災事故を起こさないように安全管理に努めましょう。