工場内で事故や災害などが発生すると、その被害は拡大され大きなものになります。企業は、これらのリスクを少しでも減らし、いざという時に適切な対応が取れるようにしておく必要があります。
工場で起きる事故のリスクマネジメントや、被害などについて見てみましょう。
【工場で爆発事故が起きた場合のリスク】
もし、工場で爆発事故が発生したら企業はどのようなリスクを負うことになるのでしょうか?工場で火災や爆発事故が起きた場合、通常の火災のように失火法は適用されず、不法行為に基づいて、企業は下記のような賠償責任を負うことになります。
・販売先に対する責任
企業は、契約に基づいた供給責任があるため販売先や取引先に対して生じた損害を賠償することになります。大事故が発生した場合は、事故の原因が追究され、企業側に何らかの過失があったとされた場合は損害賠償請求をされるリスクがあります。
・刑法上の責任
経営者等は現場の管理義務を怠ったとされ、業務上過失致死傷罪を負う可能性があります。
・会社に対する責任
経営者は、株主代表訴訟によって責任を問われるケースがあります。会社を代表して、株主が経営者の責任を追及し訴訟を起こすことを言います。
【リスクマネジメント】
上記のように、工場で火災や爆発事故が起きた場合、経営者は様々な賠償責任を負うことになります。このようなリスクに対して、企業は自社にどのようなリスクがあるのか、それを整理して優先順位を決めておくようにしましょう。次に、それぞれのリスクに対して取るべき戦略を考えます。
これには、リスクの発生確率を下げる「リスクの低減」リスクを伴う業務を中止する「リスクの回避」、保険などでリスクを分担する「リスクの移転」などの方法があります。これらをどのように、実施するか決めたら、リスクマネジメントプログラムを作成します。リスクマネジメントを実施したら、それが計画通りに実行されているかの評価、是正、改善などをしていくことも重要です。
【リスクに備える】
工場で、このような爆発事故が起こったら、自社工場は勿論ですが近隣の住宅や店舗などにも被害が及ぶ可能性は十分あります。なぜなら、工場内には可燃物や、爆発物が多くあるため、これらが原因となって大爆発が発生することは少なくないのです。
このような場合、企業は莫大な損害賠償請求をされるリスクがあります。もし保険に加入していない場合は個人の財産で賠償金を支払うことにもなり兼ねません。万が一のリスクに備え、役員や家族の生活を守るためにも、法人火災保険への加入をお勧めします。