工事を請け負った企業には、常に様々なリスクが発生します。このようなリスクに対して、保険ではどれくらいの金額が補償されるのでしょうか?また毎月の掛金などについても詳しく見ていきましょう。
【保険で補償される金額】
ある保険会社を例にみてみましょう。保険期間は1年間になります。
(身体賠償)
・工事中の事故 1名に対して2億円、1事故に対して5億円
・工事完成後の事故 1名に対して2億円、1事故に対して5億円
・施設の所有・管理に起因する事故 1名に対して2億円、1事故に対して5億円
(対物賠償)
・工事中の事故 1事故に対して1億円
・工事完成後の事故 1事故に対して1億円
・施設の所有・管理に起因する事故 1事故に対して1億円
となっています。
【掛金】
では、毎月の掛金についても見てみましょう。毎月の保険料は完成工事高の金額と、自己負担額によって金額が変わってきます。身体賠償、財物賠償ともに自己負担額10万円の場合でみてみましょう。
完成工事高10百万円~99百万円 132円
完成工事高100百万円~299百万円 131円
完成工事高300百万円~499百万円 129円
完成工事高500百万円~999百万円 126円
完成工事高1,000百万円~1,999百万円 119円
となっています。保険料算出は、直近の年間総完成工事高(百万円単位)をもとに計算しますので、加入時には決算資料や、完成工事高がわかるものを用意しておきましょう。
【賠償責任保険のメリット】
賠償責任保険に加入するメリットはいくつかあります。
・包括保補償で個々に賠償責任リスクを補償する保険よりも掛金は割安になります。
・掛金を損金として、経費計上する事ができる。
・リスクを総合的にカバーする為、安心して経営活動に専念できる。
・補償内容に不安があれば、オプションで特約を付ける事ができる。
保険に加入するメリットは、何と言っても万が一に対する安心でしょう。特に現代のような情報化社会では、ひとたび事故を起こしてしまったら企業に対するイメージは勿論、信用、信頼も落ちてしまいます。企業経営には大きなダメージになる事は間違いありません。
【まとめ】
企業を取巻くリスクは常に進化し、多種多様なものになっています。事故は思わぬ場所で発生します。ひとたび、事故が起こったら被害者に対する損害賠償金や裁判に係る費用などは大変高額になります。このようなリスクに対して、企業側も保険などに加入して備えをしておく必要があります。