建設現場では、様々な事故が起きておりニュースなどでもよく取り上げられています。建設現場で発生する事故で最も多いのはどのようなものか、労働災害の発生状況について詳しくみていきましょう。
【建設現場で起きる事故で多いのは】
建設現場で起きる事故の中で最も多いのは、足場からの転落事故です。建設現場で発生した労災事故の中で、墜落が原因の事故は全体の約4割を占めています。平成25年においては、墜落事故で亡くなった人は160人にも及び建設現場での労働災害が問題になっています。墜落箇所を細かく見てみると、足場からの墜落が最も多く、全体の2割に及んでいます。また、墜落時の状況は作業中・移動中が過半数を占めており、足場の組み立てや、解体時は35%程度になっています。
【労働災害の発生状況】
昨今の労働災害の発生状況を見てみると、休業4日以上の災害は平成22年からすべての年で増加している事がわかります。平成25年を見ると建設業における休業4日以上の死傷者数は、15,762人で前年同期に比べ136人増加しています。また建設業における重大災害を事故の型別にみると、交通事故によるものが55件となっており、これは全体の約7割を占めるほど非常に高いものになっています。このような、建設業における労働災害の実情を踏まえ厚生労働省はある取り組みを始めました。
【厚生労働省の取り組み】
建設業を取巻く環境をみると、公共工事の増加、新設住宅着工戸数の増加、建設投資の増加などが見られます。厚生労働省は工事数の増加に伴い、労働災害数も増加しないように対策を強化しました。具体的には、建設関係団体に向け高さ2m以上の箇所での作業時の手すりに措置を講じた作業床の設置や、安全帯の使用の徹底、はしご使用時の上部および脚部の固定等の転位防止の徹底、および昇降時の親綱または安全ブロックおよび安全帯の使用の推奨、足場におけるメッシュシート、幅木等の飛脚落下防止措置の徹底などがあります。上記は、安全対策のほんの一部ですがこれらを取り入れても平成26年度における休業4日以上の建設業の労働災害は前年度よりも増加しています。
【まとめ】
厚生労働省が取り組みを強化した平成25年度以降、翌年は増加しましたが26年度、27年度は25年度の休業4日以上の労働災害は若干減少しています。各建設業者が少しずつ現場での意識を変え、お互いに注意をする事で事故は減少し、死傷者も減ります。是非、これらの取り組みを企業全体で行っていくようにしましょう。